自由民主党静岡市議団が、改憲右翼団体「日本会議」の関連団体に対して市議20人分の年会費や、同団体の勉強会への参加費用などを政務活動費で支払っていたことが25日、本紙の調べでわかりました。市民からは、政務活動費の使い道として、適切ではないと批判があがっています。(井上拓大)
3年間20人分
本紙が情報開示請求で入手した自民党静岡市議団の政務活動費の報告書・支出伝票によると、同市議団は一人1万円の年会費を政務活動費で、2014年度から16年度までの3年間、毎年20人分約20万円を「日本会議地方議員連盟」に支払っていました。現在市議団の人数は25人ですが、昨年までは20人でした。議員団全員分の会費を、政務活動費で支払っていたことになります。
13年11月13日には、東京で行われた「憲法改正問題」などの研修費・視察旅費で1万3320円を支払っています。15年5月29日も、「憲法9条改定問題」などの研修の旅費と研修費、合計1万4980円を政務活動費で支払っています。
静岡市の「政務活動費の手引き」では、政務活動とは「会派または会派に属する議員が行う調査研究、研修、広報及び広聴、要請及び陳情、各種会議への参加等、市政の課題及び市民の意思を把握し市政に反映させる活動その他住民の福祉の増進を図るために必要な活動」とされています。
使途はずれる
日本会議のような改憲右翼団体は、加入するとしても個人の立場でおこなうべきです。その会費や研修費を市議団ぐるみで政務活動費で支払うことは、本来の使途から大きくはずれています。
日本共産党静岡市議団の内田隆典団長は、「日本会議の活動は、政務活動に寄与しない。市の規定に照らせば、政務活動費を出すことはできない。またどのような団体であれ、会費は私費で出すべきで、市民の税金を使うべきではない」と批判しました。
本紙の取材に対し、自民党静岡市議団は文書で回答。「日本会議」に会費を支払い、会員になることで機関誌購読や行事参加が可能となると説明。「議員の調査研究活動として、諸課題に関する認識を得、市政の課題を把握し、ひいては市政に反映させることにつなが」るとして、政務活動費での支出は市の規定に反していないとしました。
(『しんぶん赤旗』9月26日付より転載)