関西電力幹部らに高浜原発がある福井県高浜町の森山栄治元助役(3月に死去)から「原発マネー」が還流していた疑惑で3日、国の電源立地地域対策交付金も同町の建設会社「吉田開発」と森山氏を通じて関電幹部に還流していた疑いがあることが本紙の調べで分かりました。(10月4日付)
疑惑の発端となった金沢国税局の税務調査では、吉田開発が「手数料」を森山氏に提供。同氏は2011年からの7年間に総額約3億2000万円相当の金品を関電幹部らに手渡していたことが明らかになっています。
高浜町の資料によると、吉田開発は15年~17年の3年間に同交付金を活用した同町の公共事業5件を総額約4億5253万円で受注していました。このうち少なくとも3億7140万円に同交付金が充てられています。
同社は16年、町立中央体育館の建設工事に関連する駐車場整備事業と擁壁改修工事の2事業を受注。擁壁改修工事の総事業費2億6001万3240円のほぼ全額(99・9%)に相当する2億6000万円分が同交付金です。経済産業省などの予算に含まれる同交付金は、国民が電気料金に上乗せして電力会社に支払う電源開発促進税が原資となっています。
日本共産党の渡辺孝高浜町議は「国や高浜町は当事者として交付金の流れを徹底的に究明する責任がある」と指摘しています。