【香港=釘丸晶】香港で24日投票、即日開票された区議会(地方議会)選挙は25日、開票作業が終わり、民主派は452議席中、8割超の388議席を獲得し、歴史的な勝利を収めました。改選前に約7割を占めていた親中派は大惨敗しました。1997年の中国への返還後、民主派が過半数を取ったのは初めてです。
今回の選挙は、逃亡犯条例改定案への反対を発端とした抗議行動が5カ月以上にわたって続くなか、初の全域での選挙となりました。デモ隊に強硬姿勢を強める香港政府や中国政府に対し、市民は「ノー」を突き付けました。
逃亡犯条例改定案の問題を早くから取り上げ、100万人規模のデモを組織してきた民主派団体「民間人権陣線」(民陣)の岑子傑(しん・しけつ)氏をはじめ、抗議行動の参加者から生まれた新人候補が多数当選。民主派は、「五大要求の実現」などを掲げ、区議選を「住民投票にしよう」と呼び掛けました。親中派は、現職の立法会(議会)議員が次々と落選しました。
25日、民主派の圧勝に各地で喜びの声が聞かれました。デモや抗議集会にしばしば参加してきたマーカスさん(37)は九龍地区佐敦で、「この6カ月近くの運動の成果が選挙結果につながった。本当の香港人が求めていた結果だ。市民の意見を反映し、運動をしている人たちに自信を与えた」と歓迎しました。
今回の区議選には約294万人が投票し、投票率は71・2%に達しました。いずれも返還後、立法会選挙も含めて過去最高となりました。