自由法曹団や社会文化法律センターなどでつくる「改憲問題対策法律家6団体連絡会」は19日、国会内で会見し、「自衛隊中東派遣の閣議決定に強く反対する法律家団体の緊急声明」を発表しました。
声明は、軍事的緊張状態にある中東地域に自衛隊を派遣することは、自衛隊が紛争に巻き込まれ、武力行使の危険を招くものだと指摘。憲法9条の平和主義に反するとして、自衛隊の護衛艦を中東・ホルムズ海峡などへ派遣する閣議決定に反対しています。
政府は今回の派遣の法的根拠を、自衛隊の行動を限定列挙した自衛隊法ではなく、防衛省設置法の「調査・研究」に求めています。事務局の南典男弁護士は「臨時国会後の閣議決定では重大な決定の議論がなされない」と述べ、閣議決定だけでなし崩しに進められ国会のチェックが働かないことを批判しました。
大江京子弁護士は「中東派遣の目的は有志連合への参加というアメリカの要請に応えるためではないのか」と指摘。政府には緊張状態を打開する仲介役こそ期待されていると述べました。
会見には、日本共産党の笠井亮、立憲民主党の逢坂誠二、無所属の階猛・各衆院議員が同席しました。
笠井氏は、米国主導の有志連合が来年1月に活動を本格化することに歩調を合わせるものだと指摘し「国民の議論なしに、閣議決定でなし崩しに海外派遣を進めることはあってはならない」と厳しく批判しました。
会見に先立ち同連絡会は、防衛省に派遣命令を出さないよう要請しました。