日本共産党の志位和夫委員長と国民民主党の玉木雄一郎代表は20日、東京都内で党首会談を行い、安倍政治を転換するため、(1)憲法にもとづき、立憲主義、民主主義、平和主義を回復する(2)格差をただし、家計・くらし応援第一の政治に切り替える(3)多様性を尊重し、個人の尊厳を大切にする政治を築く――の3点の方向で、政権交代を図るために協力することで合意しました。
今回の会談は玉木氏の呼びかけで行われたもの。会談には、日本共産党の穀田恵二国対委員長と国民民主党の平野博文幹事長が同席しました。
会談後、国会内での記者会見で志位氏は、「たいへんに重要な前進だ」と強調しました。
また、記者団の質問に答えるなかで、これまで立憲民主党の枝野幸男代表、社民党の又市征治党首、れいわ新選組の山本太郎代表とも会談し、政権交代を目指す合意などをそれぞれ取り交わしたことを示し、「私たちの野党連合政権構想の呼びかけの方向に向けて一歩一歩前進していると考えています」との認識を表明しました。
「たまきチャンネル」でも対談
会談に先立ち、志位氏は、玉木氏のインターネット動画サイト「たまきチャンネル」に出演し、玉木氏と対談しました。
対談は、志位氏が玉木氏に促されてショパンの「マズルカ第17番」の冒頭のフレーズを電子ピアノで弾き、玉木氏が河島英五の「酒と泪(なみだ)と男と女」を弾き語りしてスタート。玉木氏からの「中国共産党との関係は?」「自衛隊はなくす?」「天皇制もやめる?」「大切にする価値は?」との質問に、志位氏が答えて進みました。
志位氏が、中国による尖閣諸島の領海侵犯や香港での抗議活動への弾圧などを厳しく批判すると、玉木氏が「安倍政権より、志位委員長の方が中国共産党に厳しい」と発言。志位氏が「安倍政権の問題は、(中国の)習近平国家主席を国賓として招待することありきで、言うべきことを言わないことだ」と指摘すると、玉木氏は「志位委員長の言っていることの方が国益に合致している」と応じました。
さらに、志位氏が、安倍政治からの転換の三つの方向をあげて「野党が一致できるのでは」と述べると、玉木氏も「この範囲であれば当然、一つの方向性を出せると思う」と表明。志位氏は「野党共闘のあり方も多様性が大事です。野党はそれぞれ個性があって、違いがあっていい。違いがあってもそれをお互いに認め合って一致点でしっかり協力することが一番いい」と述べました。