沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、防衛省が新たに示した総工費約9300億円のうち、新基地建設に反対する市民らに対する警備費を約1700億円と見込んでいることが分かりました。非暴力の座り込みなど正当な抗議行動や表現の自由への過剰な干渉・弾圧に、巨額の税金が浪費されることになります。
防衛省は25日に開いた新基地建設に関する「技術検討会」で、工費を当初想定の2・7倍の約9300億円と提示。うち、埋め立て工事に関する経費は7225億円で、地盤改良工事約1000億円などとともに、安全対策の名目で警備費を約1700億円としました。
河野太郎防衛相は25日の会見で、費用の膨張について「安全確保のための警備、軟弱地盤の工事、そうしたことが加わった」と述べました。
新基地建設への抗議行動は、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前や海上のほか、土砂搬出元の同市安和の琉球セメント桟橋ゲート前、本部町の本部港塩川地区で取り組まれています。
防衛省は、抗議行動を「妨害活動」(同省幹部)とみなし、過剰な警備費を投入。2022年2月までの契約額は約326億円となっています。今後、新たな土砂搬出先を確保することも想定され、今回新たに見積もられたばく大な警備費は、いっそうの警備強化と抗議行動排除の狙いがみえます。
ただ、警備費をめぐっては、過去に会計検査院から海上警備費の過大支出を指摘されたこともあります。