「長年の慣行ではなく、安倍政権7年の慣行だ」―。日本共産党の宮本徹議員は28日の衆院予算委員会で、「桜を見る会」の招待者数が膨れ上がったのは「長年の慣行」「招待基準が曖昧だった」からだと言い訳している安倍首相を批判。首相は同行事の趣旨を逸脱して後援会員をはじめとする参加者を「幅広く募った。募集という認識ではなかった」との支離滅裂な答弁に終始しました。宮本氏は、事実上の買収(公職選挙法違反)に当たると追及しました。
宮本氏は、2019年の「桜を見る会」参加者は1万8200人と第2次安倍政権前の約2倍になり、「総理大臣等」による招待者は全体の半数以上で記録のある05年(小泉純一郎内閣)の3倍超になっていると指摘。安倍首相の地元事務所の参加申込書には、家族や知人・友人を誘う場合は用紙を「コピーしてご利用ください」と記してあり、「安倍首相の後援会員が紹介者になれば、知人・友人がどんどん参加できるようになっていた」と述べました。
その上で、麻生太郎財務相に対し、「首相在任当時、地元事務所がこういう形で参加者を『幅広く募る』ことをしていたか」と質問。麻生氏は「ありません」と明言しました。
宮本氏は、「幅広く募ったのは安倍政権になってからだ。『長年』ではなく、安倍政権7年の慣行だったということだ」と強調しました。
さらに、各界で功績・功労のあった人を招くのが「桜を見る会」の趣旨なのに、安倍事務所の申込書にも、内閣府の招待者名簿にも「功績・功労」を書く欄がないと指摘。内閣府から招待状が発送されるのは3月なのに、安倍事務所から参加者への案内状は「2月吉日」付で出されていると告発し、「安倍事務所に申し込んだ時点で参加が確定している。首相は『最終的に内閣官房と内閣府がとりまとめている』と言うが、事実上ノーチェックだ」と批判しました。
安倍首相は、「事務所の担当者によれば、推薦すれば招待されるだろうという安易な臆測の下、作業を進めた。(案内状は)不適切な表現で問題があった」と釈明。内閣官房の大西証史内閣審議官は、「功績・功労」の有無をチェックしなかったことを事実上、認めました。
宮本氏は、「しんぶん赤旗」日曜版の取材に「招待されたのは、選挙活動に携わって頑張ったね、という功労だと思う」と話した参加者の事例を挙げ、「招かれた側は、事実上の買収だったとの認識の人もいる」と強調。「国の行事を私物化し、税金で地元の後援会員や有権者を接待したということであり、事実上、公選法違反の買収行為だ。総理大臣を続ける資格はない」と厳しく指摘しました。