日本共産党の田村智子副委員長、山添拓議員は30日、参院予算委員会で質問に立ち、新型コロナウイルス関連肺炎への対策、安倍晋三首相による「桜を見る会」の私物化や首相「推薦枠」での悪徳マルチ会社元会長の招待疑惑、公文書管理問題などをただしました。
新たな疑惑
総裁選前に急増 18年 地方議員招待
田村議員
田村氏は、安倍晋三首相の地元事務所が「桜を見る会」に幅広く参加者を募り、地元有権者を買収していた疑惑に加え、自らの「支援者」を増やすために地方議員を大量招待していた疑惑を明らかにしました。
自民党総裁選のあった2018年の「桜を見る会」をめぐっては、「総理大臣等」の推薦者が前年比25%増と急増しています。田村氏は、地方議会からの参加者は、通常「道府県の知事および議会議長等の2分の1」(東京都以外)に絞られているのに、「しんぶん赤旗」日曜版が確認しただけでも18年に自民党都道府県議の約1割が参加していると指摘。自民党の都道府県議がSNSやブログで発信している言葉を紹介しながら、「18年の自民党都道府県議への招待が、いかに異例かがここからもわかる」と述べました。
安倍首相は「『桜を見る会』の招待者については、最終的には内閣官房および内閣府において取りまとめを行っている」などとはぐらかしました。田村氏は、「18年春、森友・加計問題や財務事務次官のセクハラ辞任、自衛隊『日報』隠蔽(いんぺい)などで支持率が落ち込み、総裁選はピンチだと言われていた。『桜を見る会』が総理の座に居座り続けるための手段として利用されたのではないか」と強調しました。
言い訳崩壊
公開前提の名簿 内閣府「開示対象も」
山添議員
山添議員は、内閣府の文書が「桜を見る会」への招待者の名簿を「公開を前提にしている」とする事実をつきつけ、名簿公開を拒否する安倍政権を厳しく批判しました。
内閣府の大塚幸寛大臣官房長は、情報公開請求があった場合に「開示の対象になる場合もある」と認めました。安倍晋三首相が「個人に関する情報だ」として、名簿公開を拒否する根拠が成り立たないことが明らかになりました。
山添氏は、内閣府が各省に同会招待者の名簿提出を依頼した事務連絡文書に、情報公開法に基づき「(名簿は)開示請求の対象とされたことがありますので、この点を念頭に置かれた上で推薦されますようお願いします」と記されていると指摘。「公開が前提だ」と迫りました。
さらに、参院自民党が改選議員あてに、招待者の申し込みを案内した文書に「名簿全体を公開されることもあります」と記載されていることを示しました。
その趣旨を内閣官房から首相官邸などに伝えたかをただした山添氏に対し、大西証史内閣審議官は「事務的に伝えた」「総理、副総理、官房長官、副長官、それぞれの事務所に推薦依頼をしていますので、それは同様(伝えた)と考えています」と答弁しました。
山添氏が「安倍事務所の推薦分についても開示請求の対象となり得ると伝えられていたのではないか」と迫ると、安倍首相は「公開の対象とされることと、名簿全体を公開されることとは違う」などと、はぐらかしの答弁に終始しました。