日本共産党の志位和夫委員長は27日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス感染症へのいま必要な対応として(1)来年度予算案を抜本的に組み替え、大胆な財政出動を行う(2)感染症の専門家を国会に参考人として緊急に招致し、科学的知見を共有して与野党を超えて抜本的打開策に取り組む―の2点を緊急に提起しました。
志位氏は「来年度予算案には新型コロナウイルス対策の予算が1円も計上されていない」として、「こんな予算案をこのまま通していいわけがない」と指摘。安倍内閣が出した基本方針は、国民に対してさまざまな要請をしているが、政府として何をやり、どういう責任を果たすのか、どういう予算措置をとるかが全く書かれていないと指摘しました。
その上で、今後の検査体制の確立、重症者をケアする医療体制の拡充、打撃をこうむる中小業者を含めた関係者への支援などを考えれば、抜本的な予算措置をきちんととらなければできないとして、「野党としてよく話し合って、来年度予算の抜本的な組み替え案を提起していきたい。思い切った財政出動で、検査、治療、経済、さまざまな面で対応が取れるよう政治の責任を果たしていくことが緊急に求められている」と述べました。
さらに、「新型コロナウイルスへの政府の対応が後手後手にまわっている。これをいかに先手先手にしていくか。政治の責任が問われている」と強調。現状を打開するためには、専門家を国会に参考人として招致して、科学的知見を共有し、共に抜本的打開策をつくる作業が緊急に必要だと主張しました。
志位氏は、政府は専門家会議を2月16日にようやく立ち上げたが、国会としてはそのような体制になっていないと指摘。政府がとっている対策を検証し、問題点を指摘し、責任ある対応をしていくためにも、「国会として、与野党を超えて緊急に専門家の知見・認識を共有し、抜本的打開策を検討していく必要がある」と述べました。