日本共産党の志位和夫委員長は30日、国会で記者会見し、市中感染が広がり、院内感染の多発、医療崩壊が始まっているとして、「明らかに局面が変わっています。新型コロナウイルスの感染を判定するPCR検査体制を抜本的に改善・強化することが急務です」と強調。「PCR検査センターという新方針を本気で実行に移すべきです」と語りました。
志位氏は、都内医師による200人の抗体検査で5・9%が陽性という結果が報道されたことに触れ、「この数字は医療従事者も含み、希望者を募っているので高めに出る可能性が大きいが、それでもPCR検査で陽性とされた方とは桁違いの感染者がいる可能性を示しています」と指摘。慶応大学病院が実施した新型ウイルス以外の入院患者のPCR検査での陽性率が5・97%であったことにもふれて、「市中感染が広がり、院内感染が次つぎと起こり、局面が変わっていることを直視すべきです。検査を絞り、クラスター(感染者集団)を追跡するという従来の政府の方法が限界であることは明らかであり、ここで方針の大転換を行い、大量検査と隔離・保護という感染症対策の大原則に立った政策を強力に推進する必要があります」と強調しました。
前日の衆院予算委員会での質疑に触れ、「安倍首相自身がPCR検査センターをつくると方針転換を表明したにもかかわらず、それを実行に移す本気度が感じられない」と批判し、政府がイニシアチブを発揮して、PCR検査センターをつくるという新しい方針を全国で実行に移すこと、方針転換に「魂」を入れるためにも新たな予算措置をとることが必要だと訴えました。
その上で、感染の疑われる人が速やかに検査を受けて治療のルートに乗せていくこととともに、「病院、介護施設、福祉施設など、とりわけ感染リスクからの防御が強く求められる施設の職員、患者、入所者にPCR検査ができるような体制が必要です」と述べ、「新しい局面にふさわしい転換、戦略、予算を強く求めていきたい」と表明しました。
緊急事態宣言延長について
日本共産党の志位和夫委員長は30日、国会内で記者会見し、5月6日までを期限とする緊急事態宣言の延長が検討されていることへの受け止めを問われ、「4月7日に緊急事態宣言が発動された時点に比べて、現状で、感染の度合いが好転したという認識やその材料をもっていない」としつつ、「緊急事態宣言をどうするかは政府の判断ですが、公表されたデータを見ても、深刻な事態が続いていると認識しています」と語りました。
「9月入学」について
また、安倍晋三首相が学校の「9月入学」を検討すると発言したことについて問われ、「慎重な検討が必要ではないか」と語りました。9月入学の実施は、入学・進学の時期がずれ、あらゆる体制の変更が必要になり、「社会的に大きな負荷がかかってくる」と指摘。「これらの問題も含めて慎重な検討が必要です。いま大事なことは、子どもさんの教育権を保障し、心身のケアをいかにやるか。そこに心を砕き、エネルギーを注ぐべきではないか」と語りました。