安倍晋三首相は6日、首相官邸で開いた政府の新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・安倍首相)の会合で、都市部での同感染症患者の急増を受け、新型インフルエンザ等対策特措法に基づく緊急事態宣言を発令する準備に入ると表明しました。7日にも専門家で構成する諮問委員会にはかり、国会での説明を行った上で発令する見通しです。同特措法に基づく同宣言の発令は初めて。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に1カ月程度とする方針です。
経済対策108兆円
宣言が発令されれば、対象の都道府県知事は、外出自粛やイベント中止の要請、医療施設開設のための土地・家屋の使用、医薬品など特定物資の収用など、国民の私権に一定の制限をもたらすことが可能となります。
安倍首相は会合後の記者会見で、「海外のような都市封鎖(ロックダウン)は行わない」と述べ、公共交通機関が動くことなどに触れながら経済社会活動を可能な限り維持する考えを示しました。
首相は東京都で5日、新たに143人の感染者が確認されるなど、大都市圏の感染拡大で医療崩壊の危険が強まったとの専門家の指摘を受け、宣言が必要だと判断しました。
同特措法は(1)国民の生命と健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活、国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある―ことを発令の要件に定めています。
安倍首相は会見で事業規模108兆円の経済対策を実施することも表明しました。