日本共産党の小池晃書記局長は4日、BS―TBSの番組「報道1930」に出演し、安倍晋三首相が緊急事態宣言の延長を発令したことを受けて、PCR検査が少ないために、正確な感染状況が把握できていないと指摘し、検査を大幅に増やすための財政的支援を求めました。
さらに、小池氏は、宣言を延長するのであれば、十分な休業補償が不可欠だとして、安倍首相が引き上げを表明した、雇用調整助成金制度の1日当たりの支給額の上限を、現在の2倍にするべきだと主張しました。
小池氏は緊急事態宣言の延長を「医療体制のひっ迫からやむを得ない」と述べたうえで、政府が緊急事態宣言を延長したことについて「根拠となる数字を示さないといけないのに、政府は正確に感染者の状況を把握できていないので示せない」と批判。きちんとしたデータ、根拠に基づいた説明を求めました。
コメンテーターの堤伸輔氏(国際情報誌『フォーサイト』元編集長)は、政府が述べる宣言解除の条件について、「西村康稔経済再生担当相の会見でも、『累積患者数が一定以下』とか、『感染経路不明者数が一定以下』とか、『一定以下』という言葉しか使っていない」と批判しました。司会の松原耕二氏は「状況をつかめないとすると、このままずるずる(緊急事態宣言継続して)いくのではないか」と発言しました。
小池氏は「その(状況がつかめない)最大の理由はPCR検査ができていないことだ」と主張。「どうやって検査数を増やすのか具体的な財政措置がない」と批判しました。
司会の松原耕二氏は、各国の1日のPCR検査の目標を、アメリカ29万、ドイツ20万、イギリス10万、フランス10万と紹介し、日本の2万件が際立って低いと指摘しました。自民党の田村憲久・新型コロナ対策本部長は「地方がやることです」「各都道府県にアドバイスする体制を早急につくる」と責任逃れの発言をしました。
小池氏は、2万件という目標でも、欧米の水準に及ばないとし、「総理の会見で、保健所を介さないPCRセンターは全国20カ所、東京で12カ所しかないと。まだそういう段階です。アドバイスですむ問題ではない」と強調。杉並区はPCRセンターをつくるために、協力を求める開業医の先生の休業補償や危険を伴うことへの対応として、独自に月5000万円の予算を組み込んだことを紹介し、「(補正予算では)検査も医療体制もすべてひっくるめて1490億円だ。けた違いに予算が少ないうえ、PCRセンターには予算がついていない。この問題を解決するためには、政府が本気で財政的な支援をするべきだ」と主張しました。
宣言の延長に伴い経済的に追いつめられる中小企業の問題が議論になりました。小池氏は、雇用調整助成金の問題点を指摘。支給の上限額が1日8330円となっていることについて「これだと20日働いて約16万円で少なすぎる。2倍に引き上げて、イギリス並みにすべきだ」と提案。中小業者に助成金がとどくのが遅い問題について「『審査してから給付』でなく、まず給付する。審査はそのあとという形で短縮化すべきだ」と主張。「手元にお金がないのだから、休業手当の支払い前にお金を先に出すことも必要であり、急いで抜本的に見直すべきだ」と主張しました。