黒川弘務・東京高検検事長が新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が発出されている今月、全国紙記者と、元記者と賭け麻雀(マージャン)をした疑いがあると、21日発売の『週刊文春』が報じることがわかりました。
安倍晋三政権による違法な定年延長で地位にとどまっている同氏に、新たな疑惑が持ち上がった形です。同氏の進退と、定年延長を決めた閣議決定の是非が改めて問われそうです。
同誌によると黒川氏は今月1日と13日、マンションの産経新聞社会部記者が所有する部屋で、同社の別の社会部記者と麻雀をしたとされます。両記者とも元検察担当で、黒川氏らは両日とも翌日未明まで滞在したといいます。
朝日新聞の元検察担当記者も同席したとしています。
また同誌は、麻雀をした際の黒川氏のハイヤー代を産経記者側が負担したとして、国家公務員倫理規定に抵触する可能性を指摘しています。
賭け麻雀は刑法の賭博罪に問われる可能性があります。東京高検は取材に「報道内容を把握しておらず答えかねる」と回答。産経新聞は「取材に関することには従来から答えていない」とした上で、「取材過程で不適切な行為が伴うことは許されない。その場合は社内規定にのっとって適切に対処する」と答えました。
朝日新聞は、男性社員が1日と13日に麻雀に参加していたことは認めましたが「金銭をかけたかは調査中」。緊急事態宣言下の行動だったことについては「勤務時間外の個人的行動ではあるが、極めて不適切な行為でお詫びする」としています。
黒川氏の定年延長をめぐっては、日本共産党など野党が違法、違憲の疑いがあると追及。また政府が国会提出した検察庁法改定案がそれを「後付け」で正当化しようとしているとして市民や検察OBから猛反発を受けました。政府は同法案の今国会成立を断念しています。