【ワシントン=遠藤誠二】新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない米国では、4000万人近い国民が失業する深刻な状況が続く一方、ネット通販大手アマゾンやIT大手フェイスブックの創業者ら億万長者は、資産を4300億ドル(約47兆円)以上増やし、コロナ禍で貧富の格差がさらに拡大している実態が、米シンクタンクの調査で明らかになりました。
米政策研究所(IPS)と税の公平性を求める米国民(ATF)が21日に発表した共同調査結果によると、3月18日~5月19日に、3860万人が失業保険を申請する一方で、資産10億ドル以上の億万長者600人以上の資産は、総額2兆9480億ドル(約318兆円)から3兆3820億ドル(約365兆円)に4340億ドル、14・7%増えました。これはノルウェーの国内総生産(GDP、2018年)と同じ規模です。
アマゾンのベゾス最高経営責任者(CEO)の資産は1130億ドルから1476億ドル、フェイスブックのザッカーバーグCEOは547億ドルから800億ドルとなり、それぞれ30%、46%も増えています。ベゾス氏の資産増加額は、ラトビアやスーダンなど小中規模国家のGDPと同額です。
IPSとATFは加えて、「こうした億万長者の圧倒的多数が白人だ」とも指摘しています。
格差是正を訴えている民主党進歩派のサンダース上院議員は「大多数の国民が極度に少ない所得である一方、ごく少数の富裕層が大多数の所得を得ている国家は、持続することなどできない」とツイッターに投稿しています。