新型コロナウイルス感染症対策を議論する政府・与野党連絡協議会が28日、国会内で開かれ、2020年度第2次補正予算案について与野党が意見を交わしました。同予算案に盛り込まれた10兆円の予備費が大きな争点となりました。
野党側は、10兆円の予備費について「規模の大きさや財政民主主義の観点から、そのあり方については慎重に検討すべきだ」と主張。使い道について政府に白紙委任するのではなく、予算委員会や政府・与野党連絡協議会の場など国会が関与するなかで決めていくべきだと求めました。
与党側は、未曽有の事態の中で安心材料として必要だと正当化。個人や事業主への給付などを使途として想定していると述べました。
日本共産党の田村智子政策委員長は協議会後の記者会見で、「安心できるスキームをつくることが2次補正だったはずだ」と指摘。「野党が求める持続化給付金の継続的な支給や医療機関の減収補填(ほてん)などはやらず、10兆円の予備費を積み増して安心というのは筋が違う」と批判しました。
野党側は協議会で、PCR検査の検査実施件数の拡大や持続化給付金の対象の拡大、文化芸術関係者や関連業種従事者への支援対象の拡大と予算の大幅増などを要求しました。
田村氏は、中小事業者に対する家賃支援制度について、3割減収の事業者も対象とするが5月を起点とする3カ月連続での減収を要件としている点を批判。「これでは8月にならないと給付されない。今すぐ支給できるようにすべきだ」と求めました。