【ワシントン=遠藤誠二】新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われている米国では、これまで4260万人が失業保険の申請をするなど深刻な状況が続いていますが、巨大IT企業、アマゾンやフェイスブック創業者らの億万長者はこの11週間で資産を5650億ドル(約61兆円)増やしています。コロナ禍で格差がますます拡大している実態が米シンクタンクの調査で明らかになりました。
米政策研究所(IPS)の調査結果(4日発表)では、3月18日から6月4日の間、億万長者の資産は19・15%増え、総額で3兆5120億ドル(約325兆円)となりました。その間の5650億ドルという増加額は、スウェーデンの国内総生産(GDP、2018年)と同じ規模です。
アマゾンのベゾス最高経営責任者(CEO)の資産は同時期に362億ドル(約3・9兆円)増加。フェイスブックのザッカーバーグCEOは301億ドル増えました。ベゾス氏の資産増は、シンガポールやマレーシアのGDPと同額です。
IPSプログラム・ディレクターのチャック・コリンズ氏は、「経済的にも人種的にもこれほど分断されていることは、ここ数十年なかった」と指摘しました。