衆院は10日の本会議で2020年度第2次補正予算案(歳出総額31兆9114億円)を賛成多数で可決しました。日本共産党は予算の約3分の1を占める10兆円の予備費は財政民主主義上、容認できないとして反対しました。野党が衆院予算委員会に共同で提出した第2次補正予算案の組み替え動議は、自民、公明、維新などの反対で否決されました。
日本共産党の藤野保史議員は衆院本会議で反対討論に立ちました。
藤野氏は、同案に盛り込まれた雇用調整助成金の上限引き上げや家賃支援給付金などをあげ、「国民の世論と野党の論戦に押されて、一定の前向きな支援策が盛り込まれており、問題点はあるものの賛成できる」と表明。その上で、10兆円の巨額予備費について、「政府に使い方を白紙委任することは、憲法が定める財政民主主義の大原則に反し、国会の自己否定にほかならない。このような前例をつくることは、将来に重大な禍根を残す」と批判しました。
藤野氏は「5兆円の使途の大枠を示したこと自体、政府・与党も2次補正では足りない部分があると認めたことと同じであり、予算修正を提案して国会で議決すべきだ」と求め、残る5兆円は削除し、「速やかに第3次補正予算を編成し、国会に提案することが財政民主主義だ」と主張しました。