【ワシントン=遠藤誠二】米国の「奴隷解放の日」にあたる19日、警察による相次ぐ黒人殺害事件への抗議が続く全米各地で、人種差別撤廃を訴える集会・デモ行進が行われました。
首都ワシントンでは、市中心部への車の乗り入れが禁止され、さまざまな団体が終日、イベントを開催。フリーダム広場では教師・学生ら数百人が、「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事)」とともに、「ブラック・スチューデンツ・マター(黒人の生徒・学生は大事)」と声をあげました。
参加者は、「(奴隷が最初に連れてこられてから)400年たった今も、米国は偉大になれないのか」「人種差別は最も長い疫病だ」などと書かれたプラカードを掲げ、数キロ先の教育省まで行進しました。
行進に参加したエミリアさん(32)は、「肌の色の濃い人たちは貧困層が多く、住む地域の教育予算も少ない。教育の機会でも差別を受けている。制度の改革をもとめています」と話しました。
「奴隷解放の日」は、リンカーン大統領による奴隷解放宣言(1863年)を経て、南軍が陥落した1865年にテキサス州で最後の奴隷が解放された日。黒人社会以外には広く認識されてきませんでしたが、今年は、休日にする自治体や企業が相次ぎました。
12日に警察による黒人射殺事件が発生したジョージア州アトランタでも集会がおこなわれ、抗議デモは、ミネソタ州でのジョージ・フロイドさん殺害事件から連続25日目となりました。