【ワシントン=遠藤誠二】米国務省は9日(現地時間)、F35ステルス戦闘機105機と関連機器の日本への売却を承認し、議会に通知しました。売却総額は推定約231億ドル(約2兆4800億円)。米国の武器輸出制度であるFMS(有償軍事援助)に基づく日本への武器売却額としては過去最大で、米国の売却実績としても、2010年、サウジアラビアにF15戦闘機84機など総額294億ドル(約3兆1500億円)相当を承認したのに次ぐ超巨額です。
売却されるのは、空軍仕様のF35A63機、短距離離陸・垂直着陸が可能な海兵隊仕様のF35B42機と予備エンジン110基、関連装備品など。日本政府はこれまで、機体価格を1機116億円と説明していましたが、関連機器を含めると1機あたり236億円に膨張します。
民主党政権時代にF35A42機の導入が決定されましたが、安倍晋三首相がトランプ米大統領の要求に応じ、105機の追加購入を決定。合計147機となり、将来にわたって財政に深刻な影響をおよぼします。
一方、韓国政府もF35Aを導入しますが、米国への支払いを先送りし、新型コロナウイルス対策に充てています。米海兵隊も導入機数の54機削減を検討。日本政府も見直しが迫られています。