長崎市は9日、原爆投下から75回目の原爆の日を迎えました。長崎市主催の平和式典で田上富久市長は「長崎平和宣言」で、核兵器廃絶は国連第1号決議だと強調し、日本はじめ各国政府に核兵器禁止条約への参加を訴えました。日本共産党の志位和夫委員長が献花しました。原水爆禁止2020年世界大会長崎デーが同日開かれ、禁止条約の発効に向けて自国政府に参加を迫る共同行動の発展を呼びかけました。
「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を―人類と地球の未来のために」をテーマに開かれた、原水爆禁止2020年世界大会・長崎デーは、「長崎からすべての国の政府への手紙」を発表し、「核兵器禁止条約への署名と批准をすみやかに行うこと」などを求めました。
政府代表として、延期された核不拡散条約(NPT)再検討会議の軍縮委員会委員長となるマレーシア国連大使のサイード・モハマド・ハスリン氏、核兵器禁止条約の採択に尽力したメキシコからメルバ・プリーア駐日大使が参加し、「核兵器が存在し続けることは、人類に対する重大な脅威。唯一の解決は廃絶しかない」(サイード氏)と強調しました。
第1セッション「核兵器のない世界への行動」では、国際平和ビューロー(IPB)共同会長のフィリップ・ジェニングズ氏、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のカルロス・ウマーニャ副会長らが、コロナ感染を経て「人間を中心とした政治、経済、社会に変えよう」(フィリップ氏)、「核戦争になれば復興など不可能。唯一の道は核兵器の全面廃絶」(カルロス氏)と語りました。
環境活動家の武本匡弘さんも、気候危機の原因の一つは、環境破壊の軍事行動にあると指摘し、地球環境保護と核兵器廃絶運動の連帯を呼びかけました。
第2セッション「日本と世界、草の根の交流」では、韓国・平和と統一を目指す人々(SPARK)のキム・イナさん、フランス平和運動のロラン・ニベ全国書記が、核兵器禁止条約参加を政府に迫る運動を報告。「ヒバクシャ国際署名」をすすめる長崎県民の会の田中重光共同代表が、県民過半数まで1万5000人に迫っていると報告しました。
6日から9日まで行われた国際共同行動「平和の波」について報告した原水爆禁止日本協議会の安井正和事務局長は、「連帯を強め、すべての国に核兵器禁止条約への参加を迫ろう」と訴えました。