日本共産党の小池晃書記局長は11日、国会内での記者会見で、12日が控訴期限となっている「黒い雨」訴訟での政府の姿勢について問われ、「控訴を断念するべきだ」と改めて表明しました。
小池氏は、「黒い雨」訴訟の提訴から5年に及び、この間に原告16人が亡くなるなど被爆者も原告も高齢化していると指摘。「一刻も早く控訴断念を決断し、被爆者・原告をこれ以上苦しめるべきでない」と語りました。
また広島地裁判決が、「黒い雨」は政府が認定した区域より広く降ったことが確実であるとしたのに加え、放射性降下物による内部被ばくの問題も検討すべきだと、科学的な事実に裏付けられて立証していることを指摘。「被爆者援護法は、被爆者の利益にたって幅広く救済するというのが理念だ。その理念にたった判決であり、控訴せずに原告全員に直ちに被爆者健康手帳を交付し、あわせて審査基準そのものを見直して、すべての『黒い雨』被害者を救済すべきだ」と述べました。
その上で、被告である広島県・市が「控訴するべきではない」と表明していることに触れて、「国が強制的に控訴させるのは、民主国家のあり方としても異常だといわざるを得ない」と批判しました。