17日発売の雑誌『音楽の友』11月号(音楽之友社・1016円)で、日本共産党の志位和夫委員長と小泉純一郎元首相の異色の対談が掲載されています。(後編は12月号)
♪ 作曲家の道は
対談のタイトルは「クラシック音楽愛は政党を超える」。政治的には異なる立場にある二人ですが、共通点は「クラシック音楽好き」。2018年にそれぞれ同誌にインタビューを受けた縁もあり、“コロナ禍であえぐクラシック業界を二人の対談で元気づけてほしい”という『音楽の友』編集部の依頼を二人が快く受ける形で実現しました。
対談では、ともに音楽を好きになるきっかけとなった、中学・高校時代に初めて手にしたバイオリンのことや、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」「交響曲第40番」など、学生時代の思い出や音楽への熱い思いを語り合っています。
高校時代、作曲とピアノを習っていて「作曲の方面に行こうと思っていた」「才能がないので諦めましたが、作曲科に入ろうと思っていました」という志位さんに、「(自分の)才能に限界があるのもわかってきた」「もう聴くだけに専念しようと思った」と小泉さんが答え、音楽家への道を離れた経験をお互いに明かす場面も。
♪ 寝るときの曲
国会議員になってからの音楽との付き合いについて、「毎日、聴いてるよ。できるだけ知らない曲を聴くようにしている」という小泉さんに、志位さんは、仕事をしながら、新聞を読みながら、「とにかく『ながら族』で家のなかで年中かけてる。それから移動のときにいつも聴く。車でも新幹線でも飛行機でも」と答えます。
「寝る前に聞く音楽は知っている曲がいいか、知らない曲がいいか」論争でも盛り上がっています。
志位さんが9月に対談のお知らせをしたツイッターの記事には、「音楽や芸術は、政治や思想の垣根を越えて共感や語り合える魅力がありますね!」「政治舞台で対立しても、こういう場では対話ができるのが本当に素晴らしい」「これぞ成熟した民主主義。政治的信条は相容れなくても趣味の世界では楽しく話せる」などのコメントが寄せられています。