全都道府県に広がる
拡充・継続へ運動さらに 2023年8月18日(金)
今年度、小中学校の給食費を無償にする自治体が482に広がっていることが、本紙の調査でわかりました。(学校給食無償化調査チーム)
前回調査(2022年12月)は、制度として無償化した自治体が対象でした。今回は、新型コロナ感染症対応で設けられた国の地方創生臨時交付金を使い、期間限定で実施する自治体も対象です。
小中学校とも給食費が今年度無償、あるいは今年度実施予定の自治体は482、小学校のみは14、中学校のみは17です。
小中とも無償の自治体は、全都道府県に広がっています。東京都23区では18区が、県庁所在地では青森市、大阪市、奈良市、高松市、那覇市が小中とも無償です。
選挙公約
住民の願いに応え、日本共産党地方議員団や日本共産党が推薦する首長候補などが、統一地方選挙の公約に無償を掲げたことが推進の力になっています。
一部補助や「第3子以降が対象」などの制度も、無償化への足がかりになっています。交付金による期間限定ではなく「来年度以降も継続を」との住民運動も広がっています。
山形県鶴岡市では、今年3月まで5カ月間無償でした。継続を求めて、国民の食糧と健康を守る運動田川地区連絡会(田川食健連・大高全洋〈ぜんよう〉会長)が、4888人分の署名を集め、市長と教育長に提出し、懇談。9月までの継続を勝ち取りました。
10月以降の無償化と、国や県に予算確保を要望する署名も4137人分集め、16日に市に提出しました(写真)。同事務局長の小林隆範さん(43)は話します。「もともと3人目を無償にしていましたが、2人までは子どもが多いほど負担が重くなります。運動で、全員無償化を続けさせたい」
埼玉県北本市では、4月から半年間の無償化が実現。党市議団が長年求めてきたものです。4月の市長選挙ではどの候補も無償化を公約。請願を3月議会で全会一致で採択しました。さらに6月議会で5カ月分の無償化を全議員の賛成で可決。今年度を通しての無償となりました。
恒久的に
恒久的な制度化も願いです。昨年10月、「平和・民主・革新の日本をめざす北本の会(北本革新懇)」で無償化の話が持ち上がり、「学校給食費完全無償化をめざす北本の会」を結成。市内7カ所の学童保育所の父母会に呼びかけ、小中学校の入学式での門前や駅頭、幼稚園などで宣伝。署名を議会に提出する予定です。
同会代表世話人の若林美喜子さん(70)らは市の教育長とも懇談。「保護者から喜ばれている無償化を継続させたい」と話します。